昨今は乱獲や地球温暖化の影響で、どこの漁場でも魚が揚がりにくくなっています。特に小魚はかつてのように水揚げ量が望めず、少漁のせいで、その売値も上がる傾向にあるようです。
近年、豊漁と伝えられるのは、ともに大きな魚で、漢字を見ても明確な旬が消費者にわかっている鱧と鰆。漁師の話では、これらが増えたのは、以前は獲れていなかったものが温暖化で北へ北へと上って来て、漁場としては優れた環境を持つ和歌山や淡路島で多く捕獲されるようになっています。
しかし、この二種にいえることは、使用する側が旬への認識が強く、旬の時季には高値で流通するものの、それ以外の季節ではそこまで人気が高まらないこと。鱧は晩秋に旨くなるといわれているのに対して、どうしても人気のシーズンは夏になり、鰆も字の影響から春の魚と認識されてしまいがち。鯖や鯵、鯛が旬以外でも持て囃されるのに対して、鱧や鰆は最高に旨くなる秋にはすでに人気の魚ではなくなっているのです。
そこで和歌山県では、比較的多く水揚げされる鱧と鰆を加工や冷凍することにより、獲れるシーズンに水揚げし、漁場で保管しながら首都圏へ流れる仕組みを提案することにしました。今回の提案は、和歌山の地元企業・丸新本家 が中心となって地元漁場と行うもので、県の助成事業の一つとなっています。
丸新本家株式会社 代表取締役
湯浅醤油有限会社 代表取締役
加太淡嶋温泉大阪屋 ひいなの湯
調理長(監修)
陶泉 御所坊
調理長
DOWN TOWN CUISINE K.H
代表